「御教訓カレンダー」のあの一行が効く!!懐かしの70年代の傑作を集めてみると…。

36年後のいまでも「日めくりカレンダー」として生き続ける名企画

「来年用のカレンダーはどんなものがあるのかな?」と、カレンダー売場を歩いていたら、ありましたよ、懐かしいモノが。『ご教訓カレンダー』というやつです。

cover_金具つき

 

名言や格言、コトワザなどをパロディして、「一言フレーズ」として表現するものですが、いまからちょうど40年前の1976年。当時、若者文化を代表する雑誌として注目を集めていた雑誌『ビックリハウス』誌(パルコ出版)で、投稿企画のひとつとしてスタートしたのが「御教訓カレンダー」というコーナーでした。

その当時、高校生や大学生だった世代には「あの頃、せっせと投稿したんだけどなぁ」と言う人がいるかもしれません。

「御教訓カレンダー」は1980年には、日めくり式のカレンダーとして発売されたそうです。36年経った現在も、毎年、年末になると登場し、発売され続けているようで、いわば、『毎日、修造!』の先行本?と言えるのかもしれません。毎年、買っている人はどういう人種なのでしょうか。けっこう「シニア」なのかも・・・。

そこで、今回は、御教訓カレンダーのスタート当時1976年から1979年までの「70年代の御教訓」の傑作を拾ってみました。ただし、選考は筆者の独断と偏見ですので、あしからず・・・。

あぁ、70年代の世相を彩った御教訓の数々・・・。

●1976年・・・スタート直後、「生みの苦しみ」がにじみ出てます。

位置を聞いて、住を知る (窪田僚)
ならぬ妊娠、するが妊娠 (むらさき)
のど元過ぎればおなかが熱い (飯間雅文)

●1977年・・・突然の傑作ぞろい。人気が出始めます。

地震カミナリ家事手伝い (郷司良)
天は煮物を与えず  (吉沢芳高)
猫にこんばんおひま  (隈本邦彦)
死人にしなちく  (林ハンタ)
三度目の掃除機 安物買いの銭失い (深夜の鉄平)=準優秀賞
いちいち聞いて十を知る (田村千勢)
貧乏居間なし  (鈴木利昭)=最優秀賞
ない胸は振れない (河島彰)=最優秀賞
所変われば品川区役所  (KK2ABHK13)
吾輩はコネがある (山田甲八)
故郷へにしきのあきらを連れて帰る (かすがいるみ)
あたしはあたしの風邪をひく  (大賀わたる)

●1978年・・・快調なペース。

飛んで火にいるかつおぶし  (山上明彦)
市をあげて横断歩道を作ろうよ (平田昌信)
初診料忘るべからず ―医師(野田英治)=準優秀賞
不器用さらば  (岩田譲)
参加するごとに異議がでる (山田シゲアキ)
不潔な予感  (小沢隆)
見て見るふりをする (西野太志)=最優秀賞
小さな昇進 大きなお世辞  (矢田等)
貧乏肥満なし  (山館憲彦)
「使用上の注意」をよく揉んでお使いください (本多昭博)

●1979年・・・毒もあるけど、笑いもあり。

親しき仲にも名義あり  (森多たかし)=優秀賞
残り物には不服がある  (渡辺秀人)
可愛い子にはたびたび会うけど、縁がない (松村昌明)=最優秀賞
大器晩婚  (千田真)
物事には許せることと、つい許してしまうことがある (丸山進一)
野球は球界の裏までわからない  (三河子)
病いは君から (伝染病としお)
親ひとり小太り  (伊藤法夫)=最優秀賞
蘇る勤労―職業安定所  (日比康之)
賞品の発送は発表をもってかえさせていただきます (タバスコ・ウナギ)

かなり読み込んだ『ご教訓大全』

かなり読み込んだ『御教訓大全』

 といった感じで、「70年代の御教訓」は暗い時代をハネ返し、80年代に突入していきます。「御教訓カレンダー」だけをまとめた本として、ウチにあるのは『御教訓大全』(1991年)はすでにかなりボロボロとなってしまっていて、読み込んだ形跡があります。その後1999年には『御教訓大語海』が出ています。