ケニア人の速さの秘密は、「ひざから下の軽さ」にあり!?

男子マラソンの上位10人中9人を占めるケニア勢。その傑出した早さの 秘密を探ってみると・・・。

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9月25日のベルリン・マラソンで、ケニアのマカウ選手が2時間3分38秒の世界新記録を出しました。これで、現在の男子マラソン記録上位10傑のうち、9人がケニア勢となってします。ケニア以外では、ただ一人、エチオピアの“皇帝”ゲブラシラシエが2位に食い込んでいるだけ、という勢力図です。

男子だけではありません。先の世界陸上では、女子マラソンでもケニア勢がメダルを独占しています。

 

いったい、なぜケニア人は長距離で圧倒的な速さを見せることができるのでしょうか?

 

スポーツライターの忠鉢信一氏が著書『ケニア!』で、その速さの秘密に迫っていますが、遺伝やDNA分析ではその答えは見つかっていません。脂肪燃焼の差などでも、その他の国のランナーと明確な違いが出ません。「小さいころから、通学で長距離を走り込んでいるから」という説も、現在では、ケニアでも学校事情が改善され、長距離を走って学校に通うということは少なくなっているそうです。

 

その中で、興味深い指摘があります。

デンマークの運動生理学者・ラ―ション研究員が挙げている「ケニア人のなかでも、特に一流の長距離ランナーを多く出しているカレンジン族では、ひざ下の細さと長さが、他とははっきりと違うのです。つまり、ひざ下の質量が軽い。これは、同じ最大酸素摂取量のランナー2人が1万メートルを走った場合、ひざ下の質量が軽いということは、(400グラム軽ければ)3分ほどのタイム差になって表れてくるのです」という指摘です。

 

確かに、アスリートとしては不似合いな?ほど、膝から下の研ぎ澄まされた「細さ」は、前から気になっていました。

もちろん、このひざ下の質量で、すべてが解説できるわけではないでしょうが、次からは、ケニア選手の「ひざ下」を再度じっくりと注目してみたいと思っています。