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ブリリア ショートショート シアター代表・別所哲也さんに聞く!
シアターで『共感』を生み、ショートフィルムで
「人生をもっとカラフルに」してほしいですね!
映画祭と連動した国内初のショートフィルム専門劇場「ブリリア ショートショート シアター〈www.Brillia-SST.jp〉が、このほどオープン4周年を迎えました。シアター代表の別所哲也さんに、ショートフィルムの魅力、シアターにかける思いなどを聞いてみました。
──このブリリア ショートショート シアターの運営に携わる側として、ふだんどのようなことに気を配られているのでしょうか?
映画館や映画というのは、20世紀に花開いた“文化”であり、“産業”であり、僕たちは当たり前のようにその恩恵を受けているわけですが、21世紀になって、バーチャルで感じていることとリアルで感じることがつながっていく時代になって、シアターで映像作品を観るという体験はある意味で「特別なもの」になっていくと感じています。
僕たちがふだん家ではなかなか実現できない大きなスクリーンと最高の音響、暗闇の中での光の芸術など、シアターで楽しんでほしいことはたくさんありますが、そこには思わぬ発見があると思います。
見知らぬ人とここで一緒に笑ったり、一緒に泣いたり、ひとつのセリフにドキッとしたり、忘れられない表情や風景を感じたり・・・。そこには、いまの時代に、人々が求めている『共感』があります。
その意味で、このシアターがライブな「共感を創造する場でありたい」、その思いはいつも大事にしています。
また、地域の人やクリエイターの“コミュニティセンター”としての役割を果たしていく、ということも意識しています。
かつて、井戸端会議で世間話をしたり、銭湯や髪結いで情報を交換したりしていたように、このシアターが地域の人たちや、映画を楽しむ人たちにとっての、ひとつの“寄りどころ”となり、“交差点”になっていくことが大切な機能だと思っています。
──これからショートフィルムを観ていきたいと思っている人たちに向けて、別所さんはその魅力をどのような言葉で伝えていきたいですか?
そうですね。いままで僕たちはいろいろな国のさまざまな映画を観ているようですが、実際にはハリウッド映画、邦画、最近では韓流、といった映画がほとんどで、相当に映画好きな人でもフランス映画が加わるくらいではないでしょうか。
一般の人たちが、ブラジルやメキシコ、スカンジナビアなどの映画を観る機会はごく少ないですし、限られた国の映画しか触れていないということもできます。
ショートフィルムの国際映画祭は今年で14回目を迎えますが、そこには毎年4000本以上の作品が100カ国を超える国々から集まってきます。南米、東欧圏はもとより、中東諸国、オセアニア、東アジア、アフリカからの作品もあります。
私は、映画は『世界を知る窓』と思っているのですが、ショートフィルムを通じて、いろいろな国の文化、ファッション、それぞれの国の結婚観や恋愛観といった哲学、社会的な問題、ルール、私生活などに触れることができるのです。
「ショートフィルムで、違った世界をたくさん観ていってほしい」、そう思っています。
自分たちとの考え方の違いや、意外な国と同じ部分を発見できたり、「自由でいいのかな」と考えたり、ただ「楽しい!」「面白ね」と感じたり、少し「切なく」なったり・・・。
「ショートフィルムを観続けていくと、人生はもっとカラフルになる」、私はそう思っています。
──ブリリア ショートショート シアターは5年目に入ったわけですが、今後、10周年に向けての抱負をお聞かせください。
ショートフィルムの魅力をもっともっと発信していきたいと思っています。それに、私は『エンターテインメント・ハブ』と呼んでいるんですが、映画に限らず、写真や絵画・工芸などアーティストのギャラリーとなり、そこでカメラマンや画家とお客様、劇作家やフィルムの作り手とお客様が集い、サロン的な雰囲気で、いろいろな意見や感想を交わし、行き交う場にしていきたいと考えて、企画やイベントなどを作っていきたいですね。
実際、もうすでに遠方から足を運んでくれるお客様もいて、交流が始まっているんですが、交流することによって、そこに「思わぬフュージョン」が生まれ、作品づくりや生活への新たな刺激となっていく。そんなことが、ごく日常的に起っていけばいいなと思います。
そのためにも、スタッフを含め、全力でこのショートフィルムの世界を盛り上げていきたいと思っています。
(文責:編集部)
Information
別所 哲也
慶應義塾大学法学部卒。90年、日米合作映画『クライシス2050』でハリウッドデビュー。
米国映画俳優組合(SAG)会員となる。2010年4月、第1回岩谷時子奨励賞授賞。
99年より日本発の国際短篇映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル」を主宰。2004年には、米国アカデミー賞公認映画祭に認定される。
横浜みなとみらいに開設した、国内初のショートフィルム専門映画館「ブリリア・ショートショートシアター」は2012年2月に4周年を迎えた。
観光庁「VISIT JAPAN 大使」。内閣官房知的財産戦略本部コンテンツ強化専門調査会委員就任。
ブリリア ショートショート シアター ───────────
■場所:ブリリア ショートショート シアター〈 www.Brillia-SST.jp〉
〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5丁目3番1 Filmee 2F
アクセス:http://www.brillia-sst.jp/shortshorts/access
■お問合せ: 045-633-2151
■営業時間:10:00?22:00
■休館日:火曜日
カテゴリ: ビジネス・マネー