日本のランニング人口は、いま“1000万人突破”へ。
週末はマラソン大会ラッシュの状態。

12人中一人は「ランニング!」という時代へ!
いま、女性ランナー、団塊ランナーが急増中!

あなたの周りで「週に1度は走っているよ!」「勤め帰りは、ちょっと走ってから・・・」といった人が増えていませんか?

いま、日本のランニング人口は1000万人を突破したとも言われている。それに伴い、シューズやウエアなどのランニング用品関連市場も「着実に右肩上がりの拡大を続けていると推計されている。

笹川スポーツ財団が、2年に一度調査している『スポーツライフに関する調査』では、2010年時点での日本のランニング人口は883万人を記録。2006〜2010年の4年間で400万人以上増加し、年率8〜12%の増加率を記録しているのだ。
この増加ペースで試算すれば、すでに2012年は『ランニング人口1000万人突破』という時代に突入していることになる。実に、周りに12人いれば、そのうちの一人は「ランニング好き」ということになる。

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女性ランナーとシニア・ランナーが牽引。
「オシャレ」ランナー増加、「仲間と走る」「一人でも楽しい」の二極化も

リーマンショック以降の「節約ムード」や、大震災以降「身近で、レジャーや趣味を楽しもう」「(帰宅困難時に備える意味でも)少しは身体を鍛えておかなければ・・・」といった人たちが、ここ数年“走り”はじめている。

とくに、「健康のため」にという50〜60歳の中高年ランナーや、ダイエットや美容のためと合わせて、「ファッション的にも楽しめるから」といった理由でランニングをはじめた若い女性層が、ランニング市場拡大の牽引車になっており、女性誌では『美ジョガー』という言葉も生まれているほどだ。

ランニング愛好者サイト“ランニングスクールQ”でのアンケート調査によれば、「なぜランニングをする人が増えているのか」という問いに対して、男性・女性ともに「健康のため」という人が男性69%。女性67%で最も多い理由で、次いで「気軽に始められる運動だから」(男性47%。女性54%)と続いている。
しかし、それらに混じって、女性で多いのは「オシャレなウエアが増えたから」(57%)、「楽しいスポーツに変わってきたから」(45%)といった回答だ。

また、総務省統計局の『世代別・スポーツ調査行動調査』では、1週間のうちでも、「スポーツに多く時間を割いているのは60歳代」で、男性で週2.54時間、女性で1.43時間をスポーツに当てているという。とくに、最近ではウォーキングやジョギングといったレベルだけでなく、“走り”に取り組む人も増えているという。「身近で楽しめる」、「あまりお金をかけなくても楽しめる」といった理由や、女性ランナーは「仲間と楽しんで走れる」を挙げる人が多く、男性は「一人でも楽しめる」「タイムはあまり気にしないで・・・」という人が多いと言う。

ランニング関連市場も拡大。
専門コーナーやランニンググッズも充実

2012年4月に、横浜駅東口の『そごう横浜店』では、ランニング・ジョギング関連用品売場を従来の2倍に広げ、680平方メートルの売場にランニング(マラソン用・ウォーキング用)シューズは1400種以上を揃え、足圧分布計測器や基礎代謝測定機などを設置し、ランニング専門の健康運動指導士がアドバイスを行っている。
また、アシックスが2月に開設した「アシックスストア東京・銀座店」では、主に女性ランナー向けの商品を数多く取り揃えているが、「ルージュを買うようにランニングシューズを買ってほしい」という言葉をキャッチコピーとしている。

いま、ショッピングセンター内の大型スポーツショップでは、店の入り口近くに、大きなスペースが「ランニング関連用品」で占められるようになっている。ランニングシューズ、ランニングウェアをはじめ、サングラス、帽子、ウエストバッグ、ウォッチ、サプリメント、紫外線対策コスメ、サポーター・テーピング類、ランニング中に聞く音楽関連用品・・・といった具合に、幅広いランニンググッズが並んでいる。中高年の夫婦でシューズを選んでいるシーンや、20〜30歳代の女性が、ウエアを選ぶ姿をよく見掛けるようになっている。

市場調査会社の矢野経済研究所の調査では、2011年のスポーツシューズ全体の国内出荷額は、前年比102.5%の2835億円と推定しているが「この牽引車になっているのが、ランニングシューズの伸びだ」と分析している。
中で、ランニングシューズは、2010年で前年比108.4%の465億円、2011年で104.9%の487億円と、毎年、順調な伸びを記録する“成長分野”になっている。国内では、ミズノ、アシックス、アディダス、ナイキがシェアトップを競っているという。

また、スポーツウエアの販売予測では、2012年は「ゴルフ、野球、テニスなどがマイナス成長となる予測に対し、ランニング・陸上競技分野のウエアは前年比102.6%が見込め、市場規模は130億円程度になりそう」としている。

「マラソン大会で町おこし」がブーム
イベントで800億円が動く?

ひとくちにランナーといっても、趣味の延長線上で、健康のために走る人が増えている一方、「ハーフマラソンやフルマラソンの大会に出場する」「記録に挑戦する」ことを目指して走る人もいる。
現在、日本では国内に約1500ものマラソン大会(ハーフ、フル含めて)が開催されているという。日割り計算で言えば、毎日どこかで4つの大会が開催されていることになるわけだが、実際には土日に集中するので、週末はまさに「走りのイベント・ラッシュ」となるわけだ。

しかも、ほとんどの大会が、募集開始数日で「定員いっぱい」になることも珍しくない。地方の大会でも「フルマラソン完走を目指す」、「サブフォー(フルマラソンを4時間以内)を!」といった人が遠征してきて、宿泊・飲食などの恩恵もあるので、主催する市町村では「マラソン大会で町おこしを」と考えているところも多い。

ランナーにとって、人気の頂点とも言える『東京マラソン』は、参加できるランナー数3万6000人に対し、28万3988人が応募し、“9.5倍”の狭き門になっている(2012年実績)。また、昨2011年に第1回が開催された『大阪マラソン』にも、定員2万8000人のところへ15万4822人が応募し、5.5倍の競争率になっている。

『ランナーズ』誌の調査では、2007年には全国に10万人程度だった“フルマラソン完走経験者”はいまや20万人近くに達していると言う。
『ランナーズ』誌創設者でもある橋本治朗氏の分析によれば、「スポーツイベントしてのマラソン大会の市場スケールは、予算全体で年間約160億円ぐらいと見られているが、関連するランナー交通費・宿泊費、用品購入費などを含めれば、その5倍くらいの800億円程度は動いているのでは・・・」と見ている。

まだまだ広がるランニング人口
走りブームが続くための決め手は「調整力」?

このランニングブームはこの勢いで続いていくのだろうか。
いくつかのアンケート調査では、「ランニング人口は現状維持か、少し増える」とするのが約50%、「「ますます増えていく」と見ている人が約35%もいる。
マーケティング調査を行っているトレンダーズ社の調査では「今後、ランニングを始めたい」と思っている層は、女性陣の36%に達している。また、ビジネスマンには「走っていると、何も考えずに、ストレス解消になる」「仕事でもガマンが効くようになった」と心理面の効果を挙げる人も多く、「長く続けたい」という人が圧倒的だ。
身体的な効果と合わせて、「セルフコントロール」や「ストレス対策」「リフレッシュできる」などの心的な効果、合わせてファッションを楽しむようなプラスが加われば、当面は“高原状態”が続くと見ていいのかもしれない。

ちなみに、ランニングの科学研究によれば、短距離を走る際と、長距離を走る際には求められる能力が違っているという。
短距離を走るときに必要な能力は、「スピード」のほかに「柔軟性」「テクニック」の高さが求められるのだが、長距離を走りきるための能力としては、とくに「調整力」の高さが求められる。反面、「筋力」「「柔軟性」「テクニック」といった能力の高さはあまり求められていない、といった点が特徴である。

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「調整力」というのは、ふだんから「長く走る」ための練習をはじめ、「メンタルでも短距離での意識とは違い、『飽きない』、『適度に抜く』といった心の調整も必要」と言われている。
また、練習しすぎないプランニング、自分のコンディショニングをどう整えていくか、といった面も調整力に含まれている。
実際、大会などへの参加を控えていると、「“固め走り”の影響で、膝を痛めるランナーが増える」と言われている。スタミナをつけようと上り坂などを走り過ぎるのも膝やアキレス腱に負担がかかり、さらに「一度、大会などでいい記録が出たからといって、期間を置かずに次々と参加を決めるのも故障を発生させる原因になる」という。
いずれにしても、「ガンバリ過ぎないこと」が、ランニングを長続きさせる大きなポイントのようだ。

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〔掲載データ出典元〕

総務省統計局社会生活基本調査

ランネット