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既成概念や予想を超えた「作品」が次々と登場するから面白い!
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア
次の「感動」と「余韻」を生み出すのは
あなたかも知れない!
いま、なぜ「ショートフィルム」が注目されているんだろうか?
いま、ショートフィルムの世界が面白くなっています。
それは「次は、こんな映像が出てくるんじゃないか」、「たぶん、こんな作品だろうな」といった甘い期待?を、見事に、そして、木端微塵にうち砕いてくれる作品が、次々と飛び出してきているからでしょう。
ドラッカー流に言わせれば「予期せざるモノが次々と現れてくる世界こそが面白い」ということなのかもしれません。
ショートフィルムには、“凝縮”があります。作り手のエネルギーや感性、感情などが、5〜25分の間に詰め込まれています。それも、時には重くのしかかるように、時にはさりげなく、心地良い風のように・・・。
横浜みなとみらいにショートフィルムの常設シアターを開設している俳優の別所哲也さんは「制作者が、まず、思いのままに何かを描く。だからこそ、そこに次世代のスタイルや表現方法が生まれてくる」と言っています。
かつてバスター・キートンの短編映画に目を丸くした老世代にも、iphoneを片時も離すことができない世代にも、新鮮な“驚き”と、「あれって、どういう意味なんだろう」、「私はちょっと違うかも・・・」といった“余韻”を与えてくれるのがショートフィルムなのかもしれません。
「クールジャパン」と呼ばれるように、日本発のアニメや食文化が海外で大きな注目を集めるように、日本発のショートフィルムの評価が国際的にも高まりを見せています。いま、机の上に2枚のアウトラインができ上がり、「固定撮りで行こうか?」「サウンドはどう入れる?」と悩んでいる人の中から、次の“メジャー”が出てくるかも知れないのです。
『かりかりかりうむ』では、今後、継続的にこのショートフィルムの世界の話題に関わっていきたいと思っています。
そこで第1回目は、来年14回目を迎えるアジア最大級の国際短編映画祭であり、米国アカデミー公認の『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)』のプログラミング・マネージャー、菊地美和子さんに、ショートフィルムの魅力や、作品公募の概要などを伺ってみました。
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──「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」は2012年6月の開催で14回目となるそうですが、手ごたえはどうでしょうか? 作品、テーマ、反応・反響などに変化を感じる部分はありますか?
応募作品数も年々増え続け、2011年で4200本を超え、来年の開催に向け、いま現在も、着々と国内外から作品が集まってきています。2004年に、米国アカデミー賞の公認映画祭に認定されたことを受け、当映画祭のグランプリがアカデミー賞短編部門のノミネート選考対象となることから、さらにクリエイターたちからの注目を集めるようになりました。
ショートフィルムの世界では、“No rule is a rule(ルールがないのがルール)”と言われるとおり、制作者の意図や社会的、文化的背景を色濃く表現した作品が多いのが特徴で、アメリカで起きた同時多発テロの際には、不安、恐怖、戦争などのテーマを盛り込んだ作品が増え、世界中の映像作家たちが、ショートフィルムを通じてメッセージを発信している印象を受けました。
近年、3D映画が映画館を賑やかせている中で、当映画祭でも3DやフルCGのショートフィルムを特集上映し、さらに広がる映像表現を紹介しています。年々、部門やプログラムも増え、2012年にはCG部門が新設となります。今後も私たちは、若手映像作家のクリエイティビティを刺激する映画祭であり続けたいと思っています。
──ショートフィルムの魅力、面白さはどんなところにあるのでしょうか?
──短いものは1分、長いものでも25分というショートフィルムは、忙しい合間に楽しめるお手軽感もあり、短い時間に凝縮された世界感は、長編映画を観るに等しい満足感があります。ショートフィルムだからこそ出来る設定、映像表現があることも特徴で、“映像の未来地図”という形で私たちはショートフィルムを表現したりします。
また、短いからこそ、教育の場で活用いただいたり、親子で寝る前にちょっとだけ映画を楽しんだりと、皆さんの身近な存在にショートフィルムがなれば嬉しいです。
技術の進歩とともに、デジタル一眼レフカメラやモバイル端末などで手軽に映像が撮れ、PCがあれば誰でもショートフィルムが作れる時代になり、映像制作がいわゆる“クリエイター”だけのものではなくなりつつあるのも、ショートフィルムというメディアの面白さだと思います。
──2010年から設定されている「ミュージックShort部門」では、前回も意欲作が多かったと聞いていますが、今年度の期待度は?
この部門は、音楽レーベル各社から正式にエントリーされた楽曲をもとに製作するオリジナルショートフィルム(ミュージックShortクリエイティブ)と、アーティストのオフィシャルミュージックビデオ(PV)で、ショートフィルムの世界観を持つ作品を「ミュージックShort」として紹介する部門です。
2011年には、SuperflyやGIRL NEXT DOOR、Every Little Thing、など、国内の人気アーティストの楽曲を使用した作品だけでなく、Wonder Girls、ソ・イングクなど韓国のPV作品も紹介しました。2012年は、ミュージックShort部門をさらにパワーアップさせ、世界中の作品を紹介する予定です。
〔2011 ミュージックShort部門特別製作作品 『皆既日食の午後に』 予告編〕
──今後、この「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」を、 応募者、観客の方々にどう感じていただけるようなイベントにしていきたいと、思ってますか?
映画祭を通じて、光る原石を発掘し、それをより多くの方に見ていただく機会を創出していきたいと思います。
欧米では当たり前となっていますが、ショートフィルムにおけるマーケットの構築や映像コンテンツとしてのビジネス活用の可能性をさらに広めていき、将来、大げさではありますがショートフィルム監督で1億円プレイヤーが生まれることを願っています。
──作品の作り手であるクリエイター達にひとことを・・・
皆さんのクリエイティビティと技を、存分に試していただくのが映画祭です。ジョージ・ルーカスや、スティーブン・スピルバーグなど、いまや巨匠と呼ばれる監督たちもショートフィルムからスタートしています。応募してみなければ何も始まりません!伝えたいメッセージを映像にして、是非チャレンジしてみてください。
(文責:「かりかりかりうむ」編集部)
〔ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2011 ダイジェスト〕
Information
『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2012』は
下記の6カテゴリーにて、国内応募を受け付けています。
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- [1] オフィシャルコンペティション ジャパン部門
(※米国アカデミー賞短編部門ノミネート選考対象部門)
- [2] NEO JAPAN(非コンペティション)
- [3] 旅シヨーット! プロジェクト
- [4] ストップ! 温暖化部門
- [5] ミュージックShort部門
- [6] CG部門
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●応募締切:2012年1月16日(月)……当日消印有効
●SSFF & ASIA 2012 作品公募ページ:
http://www.shortshorts.org/2012_call_for_entry/index.html