ニーズは増えているが、警備市場の「縮小」が意味するもの

いま「警備」のニーズは増大、競争は激化!

最近の犯罪は、「ハッキリした動機がないもの」や「行きずり型」の犯罪が増えている。「家に帰ってみたら、強盗と遭遇!」といったケースもあるという。
そこで、セキュリティという面で「警備サービス」を利用する個人や企業が増えてくるだろう、と思われるのだが、警備ビジネスの現況を見て行くと「思ったほど伸びていない」という現実に突き当たる。

警備の「低価格競争」が招いた市場の頭打ち!

警察庁と全国警備業協会が調査しているデータでは、20年前の1990年には「警備サービス」の国内市場規模(警備会社の売上高総計)は1兆円に満たなかったが、1997年には2兆円突破、2003年には3兆円突破と急成長を遂げてきていた。
20年間で4倍以上の市場規模に膨らんだ、というわけだ。

ところが、そこからが少し様相が変化してきた。
警備ビジネスの市場規模の拡大ペースが鈍り、2007年に3兆5634億円とピークを迎えたものの、減少へ転じたのである。
2009年にはピーク時の13%減の3兆1100億円。
2010年にわずかに盛り返したものの、勢いはない。ニーズは増えているのに、ビジネス規模は「頭打ち」の状況に、はまってしまっている。

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ひとつの要因は「価格競争」である。
現在、全国には警備サービスを提供する事業者が約9000社あるという。最大手2強と呼ばれる首位のセコムや、2位の綜合警備保障(ALSOK)などの名前もよく知られるようになっているが、その一方では、この市場をめぐっての中堅・中小業者間の価格競争も激しくなってきている。
2008年に9000社割れとなった警備事業者数も、再び増加し始めており、過当競争がさらに激しくなっていることをうかがわせる。

警備会社の「質」が問われ、本格的な「淘汰の時代」に入る

では、「警備」とはどのような業務が多いのだろうか。

施設・企業警備・巡回など  5,644社
住宅警備(機械)       523社
交通誘導          5,780社
雑踏警備          3,011社
現金輸送           460社
その他の貴重品運搬      232社
緊急通報サービス       132社
(2010年、業務重複含む)

巡回・監視といった警備サービスへの需要が増え、とくに最近では個人の住宅で、警備会社と契約し、巡回、緊急通報対応、警備システム設置など、比較的「低価格」のサービスを受けているケースも多くなってきている。また、公共事業体の予算削減などで、今後、企業体力のない警備業者には厳しい時代が続くと見られている。小口の警備ニーズが増えているなかで、サバイバル競争が進行し、本格的な「淘汰の時代」へ突入しようとしている。

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この2011年6月には、東京立川市の警備会社の事務所で6億4000万円が強奪され、ずさんな事業体制も報道された。この3年間で、警察庁が警備会社に対して行った行政処分の件数は、08年266件、09年305件、2010年356年と増えている。

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〔掲載データ出典元〕

警察庁「警備業の現況」報告(PDF)